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Stars Office


2010/10/13~11/122010/11/12

冷え込んだ朝を迎えました。ピンと張りつめた空気は、まだ人々の吐き出す息が溢れていないからでしょうか、何故か神聖なものを感じます。胸一杯に吸い込み、背筋を伸ばす
2010/11/11
懸命に走った。認めて欲しくて、褒められたくて。結果は出なかった。だが褒めてくれた人がいた。その人を失った時から、道が変わった。励ます人もいる。ありがたいが、お前が頑張れとひねくれた。そして一人になり、強さに憧れた。虚しさを手に入れた。今日、お前の髪型を褒めた。

2010/11/10
冷え込んだ朝を迎えました。ピンと張りつめた空気は、まだ人々の吐き出す息が溢れていないからでしょうか、何故か神聖なものを感じます。胸一杯に吸い込み、背筋を伸ばすと、昨日の自分がリセットされ、何とか今日も生きて行こうと思えます。遠く離れた君を思う朝。

2010/11/09
言葉になる前の気持ち、言葉に現した時点で、すでに別物になってしまう。いつからこんなに疑い深い人間になったのか。言葉で伝わらぬ思いを込めて、手を握る。しかし、それもまた十分に心を満たす事はなく、言葉を探し始める。本当に伝えたい気持ちが、言葉に埋もれる。手を握る。

2010/11/08
悪について考えてみた。この感覚は人間にだけ、あるものの気がする。人が殺す時、人が盗む時など、様々な場面で悪を感じるのだ。そして、仕方なかったのだと、悪を打ち消す事に腐心する。動物が殺し合い、奪い合ってもそこに悪は感じない。悪の出所は人間の心の中にあるのだ。

2010/11/07
家々の窓から灯りがこぼれている。家まで後少し。小さな公園のベンチに腰を下ろした。ひん曲がった煙草に火を点けた。暖かい灯りが見える。今日私に何が起きたのか、ここに暮らす者には関係のない事だ。家まで後少し、顔を作り戻す為に私はいつも、ここで煙草を吸うのだ。ただいま。

2010/11/06
人は嘘が嫌いだ。本当の事を知りたがる。起こった現象は一つであろう。ただし、それは見方によって違う解釈が生まれる。僕が君にキスをした。事実はそれだけ。僕の解釈は挨拶程度。そして君は、愛からだと思ってしまった。君は私は挨拶のつもりと言った。僕は愛してるからと言った。


2010/11/05
胸の中に湧いてくる思いが、言葉にした時点で違うモノになってしまう。生活上は便利で、大事なもの。でも、君を思う気持ちや心を現すには、もどかしい。厳しい言葉を君は言った。その言葉は残念だが頭から離れない。だがそれを君の心とは、思いたくない。君に伝えたい心があるんだ。


2010/11/04
多くの恋人、夫婦が揉めている。原因の多くに「私が与えたものに、あなたは返さない」味気無い言い方をすれば、私が使った労力に対し相応の対価を払えと。使った労力以上の対価を得ると喜ぶ。始まりは、相手を思いやる事だったはず。悲しい別れが多すぎる。孤独になりわかったのだ。

2010/11/2
君から出る言葉は、刃物のように切りつけて来る。俺も生身の人間、心を斬られりゃ痛みもあるし血も吹き出る。だが俺は、別の事を考えている。君にそんな言葉を言わせるものは、何か。あまりに悲しい。俺も自分を守る。自分を鎮めるには、君の幸せを願うしか方法はない。青空眩しい。

2010/11/01
月曜の朝、道行く人は押し黙り、急ぎ足で通り過ぎる。銀色の電車に吸い込まれ、押し出されていく。多くの人々は、決った行き先に向かう。何も決っていない俺は、焦り途方に暮れる。どこかに属する事は不安を取り去る。自由は孤独がつきまとう。選んだのは俺…また電車が出て行った


2010/10/30
窓から雨垂れを見ている。子供の頃、熱を出し学校を休んだ日のように。ガラスを伝って、落ちていく雨粒を見ている。つつーっと、一つまた一つ。ただただ見ている。静かに流れる時間は、遠い日を連れて来る。雨が上がって欲しいと思いつつ、あと少しだけ降っていて欲しいと思う。


2010/10/29
何も言わない優しさと、何も言わない厳しさ。無口な君から得たものは、大きい。心のお喋りを止められず、つい口にしてしまう俺。衝突と誤解、そして決別。人は誰かに認められたがる。言葉のやり取りでは得られないのだ。今、もの言わぬ、君の写真に語りかける。寂しさは、もうない。


2010/10/28
時計の針が虚しく進む。君に何かあったのか。どうやら待ちぼうけ。気が付くのに一時間かかった。君にとってこの一時間は、どんな思いだったのだろう。行くはずない約束をして、この一週間、君はどんな思いだったのか。僕が待った一時間より、君は苦しかっただろう。誰も悪くないさ。


2010/10/27
プライドの高い君が帰って来た。君が何をしていたのか、少しは伝聞している。話したい事があるなら、話しなよ。言いたくないは、仕舞っておけばいい。ただ君が帰って来た。君は君の中で闘う。そして僕は、君が過ごした時間を、何も言わず、聞かず、受け入れる。二人で乗り越えよう。

2010/10/26
真夜中に貨物列車が走る。こんな時間に遮断機が降りるなんて…急ぐ理由も無かったし、近づき遠ざかる、車輪の軋みを聞いていた。線路の向こうに歩いて行けば、君に会えるのか。留まっていれば、君に会えるのか。何をしようが会えないのか。もう遮断機は上がった。さよなら…渡ろう。


2010/10/25
久しぶりにお袋と歩いた。幼い頃、手を引かれ歩いた道。歩く速さが随時遅くなっていた。強く頼れるお袋、お袋も女と知りショックだった時、そして杖をつくお袋…ゆっくりゆっくり歩いた。一歩一歩が近いうちに、思い出になるだろう。今日俺は、子供の手を引き歩く。これでいいのだ。


2010/10/23
疲れちまった。もう少し、あと少しだけ頑張って、そう思いながらここまで来た。知らない場所で、名前を変えたら、何か変わるだろうか。度胸もないくせに…誰もが自分を可愛いがる。俺も俺を棄てられない。ぶつかる心は、互いに別の道を行くしか、ない。ただ、君の道が俺は好きだ。


2010/10/22
君は覚えていないだろう。初めて君と会った日の事を。ありきたりな一日、君は僕の前を通り過ぎた。何度か同じような事があり、僕は声をかけた。偶然に意味はあるのだろうか。あの日の出会いは、二人に何の意味があったのか。胸の中に悲しみだけを残し、今、君が通り過ぎて行く。

2010/10/21
ただいま、そう言ってランドセルを放り投げ、行ってきます、と遊びに行っていた。いつものように帰ったある日、いるはずのお袋がいなかった。買い物に行っていただけなのに、どうにも寂しく、不安だった。未だに誰もいない家に帰るのは、嫌いだ。今朝電気を点つけたまま…家を出た。

2010/10/20
数年ぶりに訪れた街は、変わり果てていた。君が働いていた店も、大きなビルに変わり、二人で歩いた路地も、綺麗な遊歩道になっていた。二人が出逢い、生きていた痕跡は、もはや記憶の中にしか、ない。久々に訪れた街で、もう礼を言う事も、詫びる事も出来ない君を、想った…。

2010/10/19
いつからだろう…私が平気で妻の前で屁をこくようになったのは。未だ妻の屁を聞いた事はない。しばらく気にしていなかったが、先日妻の髪に白いものが混ざっているのを見た…。今夜、久しぶりにレストランに誘おうと思った。結局ラーメン屋に行った。「あなた、おでこ広くなったね」
と、昨日の自分がリセットされ、何とか今日も生きて行こうと思えます。遠く離れた君を思う朝。
2010/10/18
立派な人達がいる。心の奥には功名心があるかも知れない。立派になれない俺は少しなじられた気分になる。功名心を割引ても、彼らは立派だ。俺のタバコ銭で何人ものワクチンが買えるらしい。そんなパンフレットを読みながら、深くタバコを吸い込んだ。言いたい事も飲み込んだ。


2010/10/17
子供の頃、日曜日の夕方が嫌だった。あの寂しさが、嫌だった。今私は、日曜日の夕方、子供たちの帰りを待つ。少年野球の結果を聞いたり、部活のレギュラーになれそうか、そんな話をしながら夕飯を食う。こんな日曜日の夕方。今の私は嫌いじゃない。あの頃親父、笑ってたなあ。


2010/10/16
悪い奴を見つけて、寄ってたかって吊し上げる。その姿に今度は、識者と言われる奴が批判をしてる。どちらも似たような顔をしてる。自分の正義に夢中なってる。自分に酔っているだけだ。悪いけど一抜けた。…俺?そうその悪い奴だよ。


2010/10/15
ヒーローになれる者と、なれない者がいる事を知った時、俺はグラブを置いた。夕べ、人気のない河川敷のグランドに行った。憧れのマウンドに初めて立った。渾身の力で最初で最後の魂のボールを投げた。あの頃の俺の夢を叶えたんだ。そして今夜、俺はお前のヒーローになりたい。


2010/10/14
なんて自分勝手なの…もういい…今までありがとう。それが最後の言葉になった。何も言えなかった。身勝手…その通りだ。悲しみと悔しさでお前の体は震えていた。人混みの中に消えて行くお前を見送った。必死にお前は自分を守った。その後ろ姿も全て、愛しているんだ。


2010/10/13
今朝、風が金木犀の香りを運んで来た。あの頃、君と浴びたあの風は、いくつもの夜を越え、いくつもの街を越え、いくつもの涙を乾かして、いつか君の頬を撫でる。今朝浴びた風は、少しだけ君の匂いがした。憎しみも、悲しみも消え、愛だけが残っていた。風が巡って行く。

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